再掲

 この記事を書いたことを思い出す。


RYOから「GT」の君たちへ
今年('95年) 規制緩和により車検が変わった きっかけは外圧だが むつかしいコトは興味ないだろうからわかりやすく言おう 
これからは改造車でも車検が通る そういうコトだ
マフラー交換もタービン交換も車高ダウンもすべてOK 車検は通る 最低限の保安基準をクリアすればなんでもアリ 夢のような自由なハナシだ
つまり昨日までは息ぐるしい制服だったのに 今日からは何を着てもイイ 好みの私服で通学できるんだ
素晴らしい・・?
そう 素晴らしい  最低限の約束を守ればなんでもできる そんな自由を手にするわけだから

でも少し考えてほしい

その自由は君の気持ちを確実に削ぎ 君のチューニング熱を低下さす
もしかしたらそうかもしれないから

車検の規制緩和で今年('95年)より マフラー交換や車高ダウンでも車検が通る この自由がなぜ 君たちのチューニング熱を低下させるのか? むしろ逆でより過熱し盛り上がる・・と思うだろう
残念ながら・・そうはならない
自分の話を少ししよう
初めてクルマをオレが手にしたのは1977年 17の時だ
春と夏のバイトで貯めた20万円で車検切れ車を先パイから買った 車種はサバンナGT 17だから当然免許なんかない
半年かけてキレイに仕上げて でも走らせたらその日に検挙された
車検切れ車 運行 違法改造及び無免許運転によりクルマは強制没収 親が呼ばれて廃車承諾書に署名させられ 通っていた高校は無期停学になった

バカらしい?
たしかにバカらしい
でも改造車ってそーゆうもんだと思っていたから

チューニング・・つまり改造とは大げさに言えば 法律を犯すことになるんだ
だから自己責任が前提だ
今までの違法が今日から合法となる では 責任は? やはり お前だ 合法だから責任が消えるわけではない
では 合法になり お前のなかでいったい何が変わるのか・・? 

それは 覚悟だ

認められるコトで お前の覚悟がうすくなってゆく

負荷という言葉がある
つまり負担とか抵抗 そして規制も負荷といえる たとえばクルマは走行中ボディもEgも常に負荷がかかっている
走るというコトはあるイミ負荷との戦いでもあるわけだ また 負荷があるから技術は進むとも言える
人生も同じだと思わないか・・?
話がズレた?まあ聞け
クルマは走れば負荷が発生する なら 人も生きてゆくならまわりからの抵抗や負荷は発生して当然だろう

そーゆうモノがお前を大人にする 
その覚悟が最後の一線でお前を必ず助ける

話が大ゲサで重いか・・そうかもな オレもただ面白おかしくクルマの話をする ソレがラクだよ
チューニングはドレスアップ カッコよく外づらを磨けばそれで充分 ソレもいい・・だが お前は本当にソレで満足できるか?
クルマをナメてはいけない ボンヤリしてるとお前の人生をあっという間に食い尽くす
大事な金と時間をただ消費し 大好きだったクルマが大嫌いになっちまう

覚悟を忘れるな
そして易きに流れるな

ホイールひとつ換えてもそれはチューニングだ
今年('95年)の規制緩和によりチューニング人口はいっきに膨れる そしてそのあと熱がひくようにゆっくりと衰退してゆくだろう

忘れるなよ この自由はお前のために用意されたものではなく スキあらばお前を食いつくすチューニングビジネスが生んだコトを

もう一度言う

チューニングでいちばん大事なのは 認められなくてもイイというその覚悟だ

そして かかる負荷をイヤがるな

ただ吼えるだけ 負荷のかからぬ空ぶかしのEgには お前の心は動かないハズだ

―RYO(荒井ヒロシ)<ヤンマガKC『C1ランナー』第4巻>


'90年代末・・規制緩和により行きすぎた改造車の取り締まりが検討される
2003年 車検法見直し 保安基準が強化 車検が再びうるさくなった
これによりチューニング熱はいっきに冷えたと言われているが 実は違う

規制強化を待つまでもなく ユーザーの心はとっくにさめていた 
'95年 規制緩和により与えられた自由は 結局 何も大事なコトは残せなかった

'96年後半より「GT」に荻島参加 失速する「GT」をほぼ一人で支える
FDマスターと称し 積極的に誌面に顔出しをして盛り上げていく

だが 波は戻らない

2004年 「GTカーズ」廃刊 チューニングはひとつのブームとして終わる

そのころ一般誌で小さなコラムを荒井が書く

ひとつのムーブメントが盛り上がり 人が集まり そして引く
でも 嘆くことはない

ふくらんでいたその数は もともと存在しなかったもの

残ったゆえにわかるコトが必ずある

これからが始まりだ


―RYO(荒井ヒロシ)<ヤンマガKC『C1ランナー』第4巻>



・参照:念のため - すごろく妄想格納庫 (調整中)

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