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zoom RSS オタク指南書、あるいは詩集としての『C1ランナー』

<<   作成日時 : 2011/04/24 04:50   >>

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 自分がオタクと自覚してしまったのはいつだったか。

 いずれにしろこんなブログを続けていて、まあ色々あるわけです。で、そんな私が時折心の指針にしているのが
ヤングマガジン連載中。
『C1ランナー』(楠みちはる)

 だったりするのです。

湾岸MIDNIGHT C1ランナー 楠みちはる
RGOをやめて自動車ライターとなった荻島は、かつて編集していた「GTカーズ」をweb上で展開し、評判をよんでいた。そんな時、自動車評論家の荒井が、新「GTカーズ」を起こすべく、荻島らを誘いに来た。「読者参加型のドレスアップ中心の合法的な楽しいチューニング」が新「GTカーズ」のメインテーマだが、「首都高最速は誰か?」という本音のテーマがあった! 首都高を舞台に『湾岸ミッドナイト』のセカンドステージが始まる…!!
 ヤングマガジン|湾岸MIDNIGHT C1ランナー|作品紹介|講談社コミックプラス


 前作『湾岸ミッドナイト』を一旦終了させ、作者の他作品からもスピンオフ的にキャラクターを登場させた正式な続編。内容は……まあ要するに車オタクのオヤジ達によるポエム集です(笑)


 好きなんですよ。この説教じみたポエムが。



 『クルマ』という、完全に旬を過ぎたモノを生業にしているおっさん数名、青年と、少年と、お姉さんと少女達が織り成すポエムは、中々「好き」を表現しづらい現代に生きる我々オタクにとって結構示唆に富んだものになっているんですよね。私も、趣味に、あるいはブログに行き詰った時は読み返してみたりしています。


 というわけで、今回は趣向を変えて「『C1ランナー』名ポエム集」と行ってみましょう。



最初はバイトとして「GTカーズ」に出入りを始めた 卒業するとなんの迷いもなくそのまま正スタッフに・・ 仕事に対するスタンスもガラリと変わった
正スタッフとなって初めての取材はドラッグレースで有名なショップだった
ゼロヨンひと筋のショップの代表はノウハウを熱く語ってくれた
カメラマンも現場の人間もみんな年上で経験もある 出来るだけ邪魔しないようオレは控え目にしていた・・

その帰りカメラマンが言った
お前は看板の意味が分かっていない・・
(中略)

「GTカーズ」を背負っている

それ以来 オレはどんな時でも現場で遠慮をするのはヤメた

「ブランド」という言い方がある オレにとってブランドとは時計や高級車などでなく・・「GTカーズ」そしてRGOだ

―荻島 信二<第1巻>


 若手の自動車評論家である荻島は、かつて首都高のランナーとして、あるいは「GTカーズ」のライター『FDマスター荻島』として名を馳せた男だ。その男の仕事へのこだわり、おそらく哲学とは言えないまでの生き方の指針が冒頭で語られる。「誰かが作った高尚な何かではない。自分が着ているコレこそが『ブランド』だ」と言い張る。それこそが誇りであり、プライドだと。
 オタク界隈にだってブランドはあります。でもそもそも、オタクでいるという行為、生き方自体が「世間の価値観」からずれた行動であるとも言えるわけです。「世間」の価値観、お仕着せの価値観に阿るんじゃなく、自分の価値観を信じろ、荻島を見ていると自分にそう言い聞かせたくなります。





荒井さんの意図はどうあれ「GTカーズ」が復活するのなら 自分はスタッフとして喜んで参加します

オイオイ荻島・・コイツはな いろいろと・・

ははっ

大丈夫です荒井サンを自分は信頼してますから

会ったコトもなかったのに信頼ですか ドコを?

車に対する「考え」です (中略) ペンネームを変え何を書いてもそのスタンスで荒井ヒロシ氏と分かるんです


―荻島信二  大田和夫 荒井ヒロシ<第1巻>


裏の顔は知りませんが こと文章に関しては荒井氏は最高です

昨日も帰ってあらためて思いました 自分はたくさん荒井氏の文章をファイルしていたんです

それだけでもう信用します

うーん・・


―荻島信二  大田和夫<第1巻>

若手自動車評論家 荻島信二・・ まさか彼が本当に「GTカーズ」に加入するとは・・

椎名氏は荻島をずいぶん評価してますよね

してます 僕は昔から車雑誌マニアですから  文章みればクルマに対するその人の考えがわかるんです

荻島信二は本当にイイ その荻島をあっさりとその気にさせる荒井ヒロシ・・  天性の「人たらし」ですよね



椎名耕平 荒井ヒロシ<第1巻>


 ペンネームを五つ以上持ち、自動車工学的見地に立った技術解説から新車値引き交渉術に至るまで様々な記事を書くライターであり、かつては怪しいオイル輸入や中古車ブローカーなど「車に関して金になる事なら何でもやる男」だったという荒井。そんな荒井を荻島は「あの文章を書く人間ならば」という一点だけで信頼すると言う。
 そして複数の病院を傘下に収める医療法人の経営者で大金持ち、荒井が立ち上げた新生「GTカーズ」のスポンサーであり、尚且つかつて首都高で腕を鳴らした伝説のドライバーでもある椎名。彼もまた荻島の文章を読むことで、荻島のクルマに対する考え方が分かると言う。

 自分もこんなに信頼されるような文章を書いてみたいものだと思いますねえ。





すごいねえ・・おまえ本当に「GTカーズ」を復刊するんだ

第一号の企画書です ぜひ目を通して意見をお聞かせください

とっくに引退したオレがいまさらなんの意見だよ

(中略)

ちなみに今 どの雑誌が面白いですか?

みんな面白い・・ 与えられた条件の中で各誌 面白くつくっている


大川義彦 荒井ヒロシ<第1巻>

 大川は休刊した「GTカーズ」の元編集長。古い時代の車を、クルマ雑誌を知っている人間だ。そんな大川だが、規制が重なり昔ほどに「自動車」にスポットの当たらない、ややもすれば旧い人間から「ヌルい」と言われがちな現在の車雑誌を「どれも面白い」と評価する。これは楠みちはる氏の漫画に共通する思想なんだけど、「一つの仕事は必ずしも100%の環境で行えるわけじゃない。その環境の中で最大限の結果を出したのならばそれを評価する」というシーンが多い。例えば多くのクルマファンから駄作と評価されているR-33型GT-Rなども、「予算や法律など、当時の日産・当時の日本の自動車産業を取り巻く状況の中で最大限の力で作ったGT-Rだ」と評する。
 「クルマ」に限らず、我々が愛する「コンテンツ」もそういうものではないでしょうか。

もっとも、最初 私自身は大川氏を信用してませんでした でも 結果としてたくさんのコトを教えてくれた かけがえのない私の先生です

どういうコトを教わったんですか・・?

・・・・  たとえば「悪銭身につかず」という言葉がありますよね・・ 辞書で引くと「良くないコトで得た金はすぐ遣ってしまう」 まあ そんなコトが出てるわけですが  では・・
なぜ 良くないことで得た金はすぐ遣ってしまうか?  その理由は辞書には出ていないわけです
辞書は答え・・答えはそのまま憶えるのがいちばんいい 「なんで?」・・と疑問を持ったらいくらあっても時間は足らない

でも その疑問が人生の面白さでもある 悪銭は身につかない・・?なんで? もしかしたら つく人もいるのでは? ・・などなど そーゆう考えを私に教えてくれたんです

それが私のベースになっています


荒井ヒロシ 荻島信二 <第4巻>

 とにかく胡散臭い男、荒井が「GTカーズ」を復活させるのは、実はこの大川のためだったりする。自分に人生の指針を教えてくれた男。荒井もまた、他者にその考え方を伝えていく。


どうですかS2000は?

速いんだかなんだか・・ なんかよくわかんないよね やっぱオレFDがいいし

わからないのは考えないからじゃないですか?



たとえば・・ なんとなくイイなと思った歌があるとする でも イイなと思った理由に「なんとなく」はないんですよ

・・・・

ごくまれに偶然が重なりそうなったコトもありますが・・  世の中のモノゴトにはどんなコトも十中八九 必ずワケがある  「なんとなく・・ なんか」じゃあ人生はつまらない

(中略)

なあ ノブ・・ お前はなんでC1(環状線)をFDで走るようになったんだ・・?

え・・

なんかよくわかんナイけど・・FDカッコイイしC1面白いし  もちろんそれでもいいんだが・・ たとえばその先を考えてみるともっと面白いゾ

考えるから人生は面白くころがるのヨ


人生ねえ  はあ・・


荒井ヒロシ 瀬戸口 ノブ<第2巻>

 荒井はこの漫画の主人公であるノブに対し「考えると面白い」と説く。これもこの漫画に共通していく思想、「考えるから面白い」。実際に荻島も「走りのいいクルマにはいいワケがあるし おいしいコーヒーにはおいしいワケがある」という思想を持っている。実際、ノブはこのあと、車のあらゆることについて「考える」ようになっていく。
 オタクも同じなんじゃないかと。ただコンテンツを享受し消費しているだけではつまらない。「ディープなオタク」と言われる人間は何が楽しくてソレをやっているかと言うと、「考えることが」「考えた結果の先にあるものが」面白いからなんじゃないでしょうか。





ガシッ
キムスクぅ!


なんだァ ヤル気かコノヤロ!

復活する「GTカーズ」で自分のページを持たないか・・? カラーつき4ページやる

なに・・

スーパープライベーター「キムスク」のチューニング日記 どうよ なあ!?

(中略)

とにかく雑誌屋は信用できねえ 結局面白い記事ができればいいだけだろが!

・・その通り
「面白く」は大事です 映画や音楽など他のジャンルでもそうでしょう


あ!?

面白いから見てくれる 伝えたいコトはそのアトです


荒井ヒロシ 木村進<第2巻>

 「うさんくさい」が服を着て歩いているような男、荒井。そんな荒井が珍しく熱っぽく勧誘するのは、ノブの師匠であり荒井自身とも過去少なからず因縁がある男、木村。荒井は「先ずは面白く。伝えたいことがあっても読んでくれなければ伝わらない。伝えるためにも先ずは面白くする」と言う。
 ブログを書いていていつも思います。「伝えたいことを書くことを優先するのか、手広く読んでもらうために面白く、言うなれば『釣る』ことを優先するのか」。もちろん両方出来れば一番良いし、割り切ってどちらかに特化できれば二番目に良いんだろうけど、凡人である所の自分には両方をこなすことも割り切ることもできないのよね。





・・キムスク お前の言う通りオレはノブで「ひと企み」を考えてるよ ノブが本質さえ見抜ければ理屈はいつでも教えてやれるしね  
つまり 空走感を感じないのよ
ギアが噛み合う気持ちよさがある・・ ノブは面白い

荒井ヒロシ <第2巻>

 この漫画の面白いところは、主人公であり『若者』であるノブよりもむしろ、荒井たちオヤジ達の思惑が深く描写されている所にあるのよね。荒井は、ノブといることでギアが噛み合うと言う。木村もまた、ノブといることで自分の中の何かが浄化されていくと言う<第3巻>。

お前 今 楽しいか?

今? 楽しいすよオレ  なんで?

OK 了解だ

はあ? なんすかソレ―

―荻島信二 瀬戸口 ノブ<第2巻>

 若手イケメン自動車評論家としての大成の道と、「GTカーズ」の一編集者として違法行為に手を染めながら進んでいく道との岐路に立たされた荻島。「オヤジ」とはまだ言えない荻島でさえもまた、ノブを鏡として自分の立ち位置を確認する。
 ノブとしてはいい迷惑かもしれないが、ノブもまた、そういった連中の期待に応えつつ、自分の「面白い」を見つけようとする。

 自分は別にこの漫画の登場人物の誰かに似ているとも思わないし、なろうとも思いません。けれど、オタク界隈での自分の立ち位置はこの連中のうちの誰なのか、誰になるべきなのか、誰になれるのか、誰になりたいのか、時々考えることがあります。

まあハッキリと言うと・・ 自分はもう世俗にまみれた「スレっからし」なワケですよ それはもちろん荻島も そして良美さん アナタもね

(中略)

たとえばクルマが好きでクルマに関わる仕事がしたい ・・で 我々ならソレはクルマ雑誌づくりとなるワケです  「クルマが好き・・」エンジニアも中古車ブローカーも最初はソコから入る

そして好きだけでは仕事は回らないとわかってゆく 歩んでる道が少しずつズレてゆくのはとりあえず目をつむり・・  とにかく今を乗り切るコトだけを考える

どうすればもっとウマくいくのか・・ どうすれば早く回るのか  つまり効率です ムダを抜く すべてにおいて効率が第一とわかってくる

めんどくさいモノや人は避け いちばん短い距離でゴールがしたい

何かがズレているのはわかる・・ 自分がスレていくのもわかってる

でも前に進むにはそれしか方法が見つからない

(中略)

・・でもそうなってももしかしたらノブは違う・・ 「スレない」なんて思ってるこの荒井がいるわけですヨ


荒井ヒロシ <第4巻>


 あらゆるものを吸収し自分のものにしていくノブを通じて、荒井は自分の贖罪を行おうと考えているらしい。






・・たとえば首都高はオレの大学で・・ GT-Rは先生だった・・ なんて言ったら笑いますか?

笑うわけがねえ・・ オレはそーいうの大好きなんだ

佐藤公彦 木村進<第4巻>

 かつて『マッドドッグ』と呼ばれた最速のGT-R使いにして、今は工務店の責任者としてインサイトなんかに乗っている佐藤は、ノブの走りや荒井の隠れた熱さに感化され、かねてより付き合いのあった木村に胸の内を明かす。首都高は大学で、GT-Rが先生、共に走った木村や荒井は講師だったと。
 ……俺も大好きです、そーいうの。

一番はやはり「自分を律する」 それを覚えたコトですね

(中略)

自分の流れ・・ 自分のペースを他者がさえぎる・・ それによって気持ちが崩れる人がいかに多いか・・ 僕は社会に出てそれを本当に感じたんです
人は自分のせいだと崩れない
他者のせいで思い通りにいかない時に本性が現れる 押しのけて攻撃的になったり・・ そのまま崩れ沈んでしまったり・・


(中略)

例えば子供の頃の運動会とか・・ いいトコ走ってたのに自分のミスでこけてしまう もう・・くやしいしヘコむけど 仕方ないし また来年の運動会への立ち直りも まあ ある
でも他人のせいでコケた場合・・ 来年どころかヘタすりゃ大人になっても忘れられない・・


まあ・・そーゆうコトです 自分の流れを他者にさえぎられ気持ちが崩れる  そーゆうのって大人になるほどクリアできると思ったんですが 実は大人になるほど逆にどんどんクリアできず・・

それを首都高の走りで何かを拾えた・・と

そうです・・

(中略)

他者のさえぎりは確実に自分の気持ちを崩し足をすくう

そして他者のさえぎり その8割は・・ 実は自分の行為が生んだやられ返し・・

お前がわるいから むこうもわるく出る

もともと悪意のある他者からのさえぎりには人は崩れない 自分が生んだ他者からのさえぎり それに人は沈む・・



荒井ヒロシ 佐藤公彦<第4巻>

 「イマドキの若者」であるノブも後に同じようなことを言うんだけど、コレがこの漫画にあるもう一つのテーマだったりする。「他者が自分を遮ろうとするのは、自分が無理を通そうとするから」という考え方。
 まあオタク界隈、軋轢が多いですよ。自分が今潜んでるアイマス界隈なんて、今は尚更ね。そういう軋轢に巻き込まれた時、この言葉を一度思い返すようにしています。実践できているかどうかは分からないけど。
でも正直 嬉しいよね・・そうやって真摯な態度で自分のクルマに接してもらえると

ちょっと大ゲサだけど このGT-Rは自分のすべてだったんだ・・


「だった」・・? いえいえ これからも変わらず「です」でしょ

まいったナ・・本当に嬉しいよ いろんな意味で今・・ GT-R復活一発めの走りはノブとの約束だし

きっちり教えてやってください ノブに

教えたいね 自分の知ってるコトははっきりと


大田リカコ 佐藤公彦<第4巻>

 愛車を倉庫で死蔵し、すっかり引退していたつもりの佐藤だったが、ノブを取り囲むクルマに真面目な人間達に感化されることで復活を決意する。「ノブに教えたい」と応える佐藤の顔は、それまでよりずっと生き生きとしていた……。
 こういうところが凄くオタク的だなあと思うわけですよ。やっぱ、自分が好きなものを好きでいる他人と関わるのって、オタク的に凄く楽しい。コレだけ幅広いコミュニケーションツールが発達した現代では尚更そう思います。そしてオタクは教えたがり。ええ、アイマスとアイマス動画の紹介ばかりやってる自分もその辺は自覚しております(笑)





RYOから「GT」の君たちへ
今年('95年) 規制緩和により車検が変わった きっかけは外圧だが むつかしいコトは興味ないだろうからわかりやすく言おう 
これからは改造車でも車検が通る そういうコトだ
マフラー交換もタービン交換も車高ダウンもすべてOK 車検は通る 最低限の保安基準をクリアすればなんでもアリ 夢のような自由なハナシだ
つまり昨日までは息ぐるしい制服だったのに 今日からは何を着てもイイ 好みの私服で通学できるんだ
素晴らしい・・?
そう 素晴らしい  最低限の約束を守ればなんでもできる そんな自由を手にするわけだから

でも少し考えてほしい

その自由は君の気持ちを確実に削ぎ 君のチューニング熱を低下さす
もしかしたらそうかもしれないから

車検の規制緩和で今年('95年)より マフラー交換や車高ダウンでも車検が通る この自由がなぜ 君たちのチューニング熱を低下させるのか? むしろ逆でより過熱し盛り上がる・・と思うだろう
残念ながら・・そうはならない
自分の話を少ししよう
初めてクルマをオレが手にしたのは1977年 17の時だ
春と夏のバイトで貯めた20万円で車検切れ車を先パイから買った 車種はサバンナGT 17だから当然免許なんかない
半年かけてキレイに仕上げて でも走らせたらその日に検挙された
車検切れ車 運行 違法改造及び無免許運転によりクルマは強制没収 親が呼ばれて廃車承諾書に署名させられ 通っていた高校は無期停学になった

バカらしい?
たしかにバカらしい
でも改造車ってそーゆうもんだと思っていたから

チューニング・・つまり改造とは大げさに言えば 法律を犯すことになるんだ
だから自己責任が前提だ
今までの違法が今日から合法となる では 責任は? やはり お前だ 合法だから責任が消えるわけではない
では 合法になり お前のなかでいったい何が変わるのか・・? 

それは 覚悟だ

認められるコトで お前の覚悟がうすくなってゆく

負荷という言葉がある
つまり負担とか抵抗 そして規制も負荷といえる たとえばクルマは走行中ボディもEgも常に負荷がかかっている
走るというコトはあるイミ負荷との戦いでもあるわけだ また 負荷があるから技術は進むとも言える
人生も同じだと思わないか・・?
話がズレた?まあ聞け
クルマは走れば負荷が発生する なら 人も生きてゆくならまわりからの抵抗や負荷は発生して当然だろう

そーゆうモノがお前を大人にする 
その覚悟が最後の一線でお前を必ず助ける

話が大ゲサで重いか・・そうかもな オレもただ面白おかしくクルマの話をする ソレがラクだよ
チューニングはドレスアップ カッコよく外づらを磨けばそれで充分 ソレもいい・・だが お前は本当にソレで満足できるか?
クルマをナメてはいけない ボンヤリしてるとお前の人生をあっという間に食い尽くす
大事な金と時間をただ消費し 大好きだったクルマが大嫌いになっちまう

覚悟を忘れるな
そして易きに流れるな

ホイールひとつ換えてもそれはチューニングだ
今年('95年)の規制緩和によりチューニング人口はいっきに膨れる そしてそのあと熱がひくようにゆっくりと衰退してゆくだろう

忘れるなよ この自由はお前のために用意されたものではなく スキあらばお前を食いつくすチューニングビジネスが生んだコトを

もう一度言う

チューニングでいちばん大事なのは 認められなくてもイイというその覚悟だ

そして かかる負荷をイヤがるな

ただ吼えるだけ 負荷のかからぬ空ぶかしのEgには お前の心は動かないハズだ


RYO(荒井ヒロシ)<第4巻>

 かつて『RYO』というペンネームで「GTカーズ」で執筆していた荒井の、自動車改造規制緩和に際しての檄文。この文章は業界に波紋を呼び、最終的に荒井は「GTカーズ」を辞めることになる。当時、自動車業界はチューニングパーツの販売・そしてその広告収入を大きな事業として捉え始めている所だった。この文章が元で「GTカーズ」編集部は広告主と揉め、廃刊の遠因を作ることになる。そして大川もまた引責のため「GTカーズ」を去る。だが、尊敬する大川が自分のケツを拭く形で引退したことを荒井が知るのはずっと後になってからのことだった。 結局、荒井はこの文章が元で「表」の自動車業界からの仕事を多数請けるようになり、売れっ子ライターとしての道を歩み始める。

 ……二次創作って、どこまでいっても違法ですよね。私の場合、この文章を100%肯定するわけではありませんが、「チューニング」を「アイマス動画」に、「規制」を「著作権」に読み替えてしまいます。


'90年代末・・規制緩和により行きすぎた改造車の取り締まりが検討される
2003年 車検法見直し 保安基準が強化 車検が再びうるさくなった
これによりチューニング熱はいっきに冷えたと言われているが 実は違う

規制強化を待つまでもなく ユーザーの心はとっくにさめていた 
'95年 規制緩和により与えられた自由は 結局 何も大事なコトは残せなかった

'96年後半より「GT」に荻島参加 失速する「GT」をほぼ一人で支える
FDマスターと称し 積極的に誌面に顔出しをして盛り上げていく

だが 波は戻らない

2004年 「GTカーズ」廃刊 チューニングはひとつのブームとして終わる

そのころ一般誌で小さなコラムを荒井が書く

ひとつのムーブメントが盛り上がり 人が集まり そして引く
でも 嘆くことはない

ふくらんでいたその数は もともと存在しなかったもの

残ったゆえにわかるコトが必ずある

これからが始まりだ



荒井ヒロシ<第4巻>

 色々と思うところはあります。人が集まり、引いてしまった後のアイマス・アイマス動画界隈、その世界で自分はどう振舞うべきか。残ってしまった自分がいる一方で、残れなかった人たちを諦め切れない自分もいるのです。






渋川圭介氏って知ってます?

ああ・・知ってます '78年の「ホリデーオート」読者投稿ページですね 
渋川 & RX-7 最高でしたね


トナリのページのRX-3も最高です

ありがとうございます(笑) 私の青春の1ページです

荒井サンは渋川氏とその後 交流とかあったんですか?

特に何も・・ ただ30年前 同じ雑誌に載っただけです

でも ずっと憶えている人ですよね あるイミ昔の仲間と思ってますから



荒井ヒロシ 大田リカコ<第4巻>

 「同じ雑誌に載っただけで仲間」 オタクですねえ。同じものを好きなら仲間、そうありたいものです。




おジョーはS2000に愛着がわいたわけだ
GT-Rは気になるが S2000と別れるのはツラい・・

どっちを選んでもイイと思いますよ
ただ クルマは買えばすべて愛着がわくわけじゃナイですよ カッコイイから 速いから 新しいから ・・だから好き ほとんどソレ
恋愛と同じで 本当に好きだと理由や理屈ってフッとぶでしょ? 好きだから好きです(笑)とゆーか

もしクルマでそう思えたら・・ クルマはおもしろくなるんですよ
 (ニカ


荒井ヒロシ<第4巻>

 胡散臭い男が胡散臭く笑う。
 でも、その「好き」の理由を探して言語化するのがまた面白かったりするのよねえ(笑)





そのローターをノブのRX-7に組むってわけか なんでだ渋川・・?

だからあのコゾーが気に入ったからだよ

気に入った? さんざんノブにヘタレと言ってたじゃねーか・・

ヘタレだ でもソレは今の時点のハナシだ あのコゾーはクルマをわかっている
たとえば パワーとトルク その違いを説明してみろ


え!?   やっぱ・・ パワーはパワーでトルクはトルクだろーが! リクツかよ!

じゃそっち

パワーは1分間にそのEgが出せる動力 つまり出力で トルクは時間に関係なくEgそのものが持つ力の量・・

ああ・・わかった

たとえば自転車のペダルだ 踏み降ろす力がトルクで回転速度がパワーと考えればいい

簡単に 誰でも分かりやすく伝える・・ つまりそーゆうコトだ

それが本当にわかってる てコトだろ


渋川圭介 木村進 荻島信二 <第5巻>

 ノブのFDRX-7を散々ゴミだなんだと、ノブ自身をヘタレだと罵った強面のチューナー、渋川だが、その真の力は心底認めていた。なんと渋川は無償でノブとFDの面倒を見て、秘蔵の超軽量ローターを与えると言い出した。

 そんな中でのやり取り。……肝に銘じておきます。





たとえば・・人生でいちばんに面白いコトはなんと思う・・?

やっぱりお金もうけですか・・(笑)

それも面白いが(笑) でも2番め以降かな・・ どうやら1番は恋愛らしい

ほほう・・

そして恋愛の醍醐味は 相手をかえるコトらしい  つまり次々と続く連鎖の形にハマるわけだ

(中略)

最近だと携帯しかりパソコンしかり 一度手にしたらそれなしの生活はムリ 考えられない クルマもそう 一度手にしたら後もどりできない
携帯もパソコンも そしてクルマも 知らなければソレにこしたコトはない でも 手にした以上もう仕方がない・・

教えられるコトは教えていくのが去りゆく者のつとめ だろ



渋川圭介 荒井ヒロシ<第5巻>


 渋川は、ノブの面倒を見る理由を「気になったから」だと言う。そのセンスに頼った走りが危ういからだと。渋川は常に「後進に教える」ということを意識している。

ノブはわかっていきますか・・

それはアイツの意志しだいだ どんなコトでも なんとなくわかるわけじゃないだろ・・

わかろうとするからわかる それだけだ


渋川圭介 荒井ヒロシ<第5巻>

 「わかろうとするからわかる」コレもまたこの漫画のテーマです。ノブは「考えること」を面白いと思い、わかろうとすることでわかっていき、「わかること」それ自体を面白いと思うようになっていく。




なあ 荒井・・「GTカーズ」復活の本当の狙いって何なんだ?

今さら「GTカーズ」つくり直しても誰も買わねーよ チューニング情報はもうフリー(無料)のネットだろ

たしかに どう考えたってオイシイ話じゃないよなあ・・

今までどーり自動車評論家でいいじゃねーか 売れっ子先生だろ(笑)

たしかにそれがいちばんです(笑)

・・でも ・・たとえば二人もそうだと思うんですが
あるイミ我々はクルマの発展と共に生きてきたわけです クルマのいいトコもわるいトコもみんな見てきている・・

絶対に言いたくない言葉があるんですよ・・

「オレ達はいい時代を過ごせた」
そう言うジイさんにはなりたくないんですよ



渋川圭介 木村進 荒井ヒロシ<第5巻>


 コレは本当にそう思います。とりあえず、今のオタクとしての自分の人生観の一番大事なところにメモしてあります。……というか、言ってはいないだろうか、そういうジイさんになってしまってはいないだろうか。そこが不安です。


「オレ達はいい時代を過ごせた」・・か
たしかにそーゆうのオレも聞くと正直 ムカつく 渋川のオッサンたち世代の口ぐせだよナ ソレ


フン

(中略)

まあ・・荒井の言いたいコトはわかるよ
「オレ達はいい時代を過ごせた」
それはつまり「今のコは大変だよなあ」とドコか見下してるわけだからな
おしいトコ取りを自慢するジジイは見苦しいよな オレも気をつけるよ・・
ただ・・
やっぱりクルマに関してはいい時代は終わった それは本当だと思わないか・・


(中略)

いい時代は終わった もうクルマは面白くない 
我々プロの自動車評論家も 集まれば最近はそうなります
もちろん自分もそうだと思ってました

・・でも
実はクルマは今も変わらず面白いのでは・・ と思ったんです

面白くないのは
面白くない理由ばかり探しているからじゃないか・・と


お前は哲学者かよ(笑)

いえいえ それは渋川サンですから(笑) で・・ なぜそうなのかと言いますと

そりゃ ノブのアホに出会ったからだろ

楽しそうにクルマと接するノブといると自分のシラケ度がはっきりわかる
ほら オレがそうだから


その通り ノブです
今のクルマが面白くないと思うのは それは今の自分が面白くないからでしょう


あのコゾーの人生はそんなに面白いのかよ

ノブといると とりあえず元気になれます マドンナと同い年のオッサンがですよ

それはスゴいコトでしょう・・



渋川圭介 木村進 荒井ヒロシ<第5巻>

 荒井と木村はマドンナと同い年、渋川がヤザワと同い年。そんなおっさん達がこういう風にオタクの様に語り合う。というか完全に車オタだこいつら。

 「面白くないと感じたのなら、それは面白くない理由ばかり探しているから」

これ、大切だと思います。自分も4年間同じ趣味を続けていますが、時折「面白くない」と感じることがあります。そんな時、この言葉を思い出すようにしています。出来る限り「面白い部分」をブログに記していこうと。「俺がハマったころは〜」「今よりもあの頃の方が〜」なんて言い出す老害にはなりたくないですから。
 ただ、こういう視点を持つことそれ自体の「老人性」にも気をつけたいところですね。精々挑戦心を忘れないでいたいものです。




 というわけで、現在刊行中『C1ランナー』の5巻までの名言集でした。
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コメント(4件)

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よう富士山。いい仕事してんじゃねえかw
cha73
2011/04/24 05:30
誰が富士山じゃ誰がw
gouzou
2011/04/24 06:01
オヤジのポエム集、いいですね。
今度借りてみます。
シンゴ
2011/05/01 22:14
面白いですよ。発刊が遅いのが問題ですが(笑)
gouzou
2011/05/02 21:31

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